鍼電極低周波治療器エスプリ PG-1601
エスプリPG-1601について
当院では和歌山県では初となる最新型の鍼電極低周波治療器を2台導入しました。
(※2024年10月時点 伊藤超短波株式会社調べ)
そもそも鍼通電療法とは?
鍼を刺入し、筋や筋膜、神経近傍、靱帯などに直接電気を通電する方法でとくに痛みや自律神経の調整に多く用いられています。
鍼通電への研究
昭和40年半ば、アメリカのニクソン大統領の訪中に先がけて中国取材をしたニューヨーク・タイムズの記者が虫垂炎を発症し緊急手術。術後の痛みや不快を緩和させるために鍼麻酔がほどこされその1時間後にはその痛みなどが無くなったことが話題になり鍼の鎮痛効果が注目されました。
その後、痛みへの研究が増加し、現在では痛みのみならず様々な疾患の研究が多岐にわたって行われていて、年間400以上もの原著論文が英語で出版されています。
それらの代表的なプロトコルが次に紹介するHAN教授の鍼通電の周波数です。
海外を中心に使われているエビデンスベースのプロトコル
これまで一般的な鍼灸院や治療院にあるような鍼通電の周波数とは全く異なります。
今回新しく開発された鍼電極低周波治療器『エスプリ PG-1601』は、海外では多くのモデルに搭載されている『HAN』モードやヨーロッパで開発された『Njogier』モードが搭載され、エビデンスベースの治療プロトコルが実用化され、日本初の世界標準機能が搭載されています。
上記のように論文で科学的に証明された治療方法が設定されています。
当院ではこのHANモードに大変魅力を感じたので、2台導入を決めました。できるだけ患者さんの痛みが早く取れるように、それを第一に考えました。
尚、伊藤超短波さんが独自開発したMultiマルチというモードも相当鎮痛効果は高く、大変優れており、症状によって使い分けていきます。
マイクロカレント
マイクロカレント、いわゆる微弱電流について説明します。
このマイクロカレントはプロスポーツ選手やアスリートが使用していることで、最近一般的にも注目されています。当院の患者さんで、学生の保護者も子どものために家庭用のマイクロカレントを購入して家で通電しているくらいメジャーになっています。
我々のからだには、もともと微弱な電流が流れています。これを生体電流と言います。マイクロカレントは、生体電流と同じようなレベルのごく弱い電流です。
このごく弱い電気刺激を筋肉に与えることでケガや痛みの治療に効果を発揮します。スポーツの分野では、運動後のコンディショニングケアに使用されている治療法です。また、エステの現場でもマイクロカレント美容機器が広く使われています。
急性期の外傷にはマイクロカレント
からだには、ケガをしたときに「損傷電流」という弱い電流を流して、傷ついた組織を修復する働きがあります。マイクロカレントは損傷電流と同じようなごく弱い電流を使った治療法です。
電流の刺激で組織を活性化して自然治癒力を高める働きがあり、肉離れや打撲、捻挫などの回復を早める効果が期待されます。また、血行が促進されて発痛物質が排出されるため、痛みの緩和にも有効です。
マイクロカレントではμA(マイクロアンペア)という極めて弱い電流を使用します。からだへの刺激感はほとんどなく、神経や筋を興奮させないので、受傷直後の痛みにも使用可能です。
またマニアックなお話にはなりますが、受傷当日から3日目まで、3日目から1週間、1週間以降でマイクロカレントの設定を細かく変えることでさらに効果が変わります。
これを当院ではエビデンスに基づき手動で更に細かく設定します。
急性外傷にはこのマイクロカレントや後述するマイクロカレント鍼灸と合わせ技でライプスを使用します。
臨床現場では、RICE処置とマイクロカレントを併用した治療も取り入れられています。この写真の足首の負傷の場合、臨床ではこの粘着パッドの上からアイシングをします。
マイクロカレント鍼灸
当院では鍼に電極を繋げてマイクロカレントを通電するマイクロカレント鍼灸を行います。
導入後、早速サッカー少年へグロインペイン症候群へ鍼にマイクロカレントを流したところ、劇的に回復しました。
お母さんがInstagramでハッシュタグマイクロカレント鍼灸と付けていたので、それいただき!ということでお母さんからいただいて当院でもその名称でこれから使うことにしました。
料金について
ここまで書くと料金について聞かれるかもしれないので書いておきますが、料金は据え置きです、従来までの鍼通電の料金からの変更はありません。
新しい機械を導入はしましたが、だからと言って料金にその分を乗せるような営利的な考えは持ち合わせていません。
少しでも患者の早期回復、スポーツ復帰、社会復帰、仕事復帰の一助になれば幸いです。